2023年春にアニメ放送される『青のオーケストラ』
巷では『音が聴こえる』と有名ですがご存知ですか?
細かい演奏の描写や、曲の背景を解りやすく解説しているところがポイントでしょう。
実際に8巻では『サムソンとデリラ』の解りやすい説明がのっています。
そんな『青のオーケストラ』の舞台は「高校生のオーケストラ部」です。
登場人物のほとんどが10代であり、セリフや心情がとっても親近感の湧くものばかり。
まるでドキュメンタリーマンガを読んでいるみたい!
今回はそんな等身大の彼らの”思い”がつまった『青のオーケストラ8巻』をご紹介。
これを読めば『音が聴こえる』だけじゃなく、みんなの『思いが聴こえる』はずです!
【青のオーケストラ】7巻のおさらい
青のオーケストラ8巻をご紹介する前に7巻について簡単にまとめます。
- 3年生の最後の演奏会…そして引退へ
- 新生オケ部は波乱の幕開けからスタート!?
- 滝本先輩の部活への思い…家族とのいざこざ
- とにかく佐久間先輩、やばい(笑)
3年生は定期演奏会を最後に引退しました。
それから新しいメンバーでのスタートですが、最初からまとまったチームにならないですよね。
みんな切磋琢磨しながら、悩みを打ち明けながら…最後には素敵なオケ部になると思います。
【青のオーケストラ】8巻のポイントは?
青のオーケストラ最新8巻が本日11日発売ですー!
書き下ろし漫画が5ページあるので是非お手にとって見てください~
表紙の佐久間や楽器は実は全身まで描いてるんですが、デザインの都合上切れたりしてます。コミックスの構図はいつも難しい… pic.twitter.com/ukryXILKDh— 阿久井真@青オケ10巻発売中 (@akui_m) September 11, 2020
『青のオーケストラ 8巻』の見所は、みんなの思いがぶつかり合うところです!
文字だけ読むと「物騒な!?」と思いますよね(笑)
しかし、思いのぶつけ合いが新たな考えや絆を生むので、決して物騒で終わらせません!
ここからは8巻のネタバレです。
第48曲 移ろい
コンクールまで2ヶ月を切った9月下旬……
弦楽器パートの青野たちは課題克服に向けて日々練習していました。
鮎川先生の直接指導が終わった後、反省会で羽鳥は「良くなってきた」と全体に伝えます。
「今日は先生の溜息の回数が少なかったじゃん?」
羽鳥先輩、そこ!?
アニメ放送された際は、あなたも羽鳥先輩と一緒に鮎川先生の溜息を数えてみてください(笑)
個別練習になり、青野は音楽室を出て練習場所を探します。
すると、別室で管楽器のパート練習を終えた東金先輩が勢いよくドアを開け、青野の前を通り過ぎました。
「………マジ有り得ない」
東金の不満を漏らす呟きが聞こえ、彼女の後から続々と出てくる部員の険しい表情をみて青野は『何かあった』と察します。
イライラした様子の東金は、後輩から『反省会シート』を受け取ると気持ちを切り替えてトランペットを吹きました。
外へ通り抜けるような音に後輩たちも練習に取り組みます。
「…やる気あんの?」
東金の視界に入ったのは、何やら深刻そうな雰囲気の筒井部長と佐久間でした。
この毒っぷりを発しているのはもちろん佐久間ですが、その矛先は筒井です。
小さい声で謝る筒井に、息を吐くようにダメ出ししている佐久間。
「…最低ですね。」
そんな2人の間に入ったのは、途中から現場を目撃していた青野でした。
普段はあまり意見しない青野ですが、例え先輩でも我慢ならなかったのでしょう。
青野は佐久間に「人を傷つけて楽しんでるだけですよね」と直球な意見を伝えます。
「何言ってんの?部長と反省会してただけなんだけど。」
………ん?
そう、単なる筒井と佐久間の反省会でした。
この2人は同じ中学出身であり、お互いを名前で呼ぶほど信頼し合っています。
佐久間の言葉には、嫌味も含まれていますが本音を包み隠さず言っている部分もあります。
そんな佐久間の言葉の意味を理解している筒井。
そのため、多少の毒舌には免疫があり、体内で中和できるのでしょう(笑)
しかし、問題はここからです。
青野は思わず本音を言ってしまったため、佐久間から去り際に一言。
おかげで君が僕のことをどう思ってるか、
よーくわかったけどね。
引用:青のオーケストラ 8巻
何も言えない青野(笑)
そんなやりとりをみていた東金は、青野に親指を立てながら爆笑しています。
しかし、真正面から立ち向かった青野の意外性に「感心した」と伝えました。
青野は東金に先ほどのパート練習で何かあったのか質問します。
「体育祭の部活対抗リレーの選手決め」
青野はすっかり忘れていたようですが、体育祭のリレーの選手を決める話し合いをしていたのです。
始めは立候補制でしたが、誰も挙手せず。
「リレーの選手は決まったんですか?」
青野の言葉で東金に般若の面が降臨します(笑)
もしかして……
「私だよ!」
全てを察した青野ですが、佐久間が「パートリーダーがやれば良くない?」と発したことで東金が走者に選ばれました。
管楽器はパートリーダーが走りますが、弦楽器からは誰が選ばれたのでしょうか。
「私でーす!」
にっこりとピースサインをしながら言ったのは秋音です。
他には、立花と羽鳥が走者として選ばれました。
コンクールの練習ばかりでピリピリしていた部活で、体育祭が息抜きになると話す秋音。
しかし、青野は「体育祭するくらいなら練習したい」と反対の意見です。
今までいっぱい我慢した分、
ここで楽しまなきゃ勿体ないじゃん!
引用:青のオーケストラ 8巻
中学時代に同級生からいじめられ、保健室で日々過ごしていた秋音にとって学校行事がとても楽しみなのが伝わります。
いつも前向きな秋音ですが、今が最高に楽しい時間なので毎日全力で過ごしていますね。
体育祭に興味のなかった青野でしたが、秋音の言葉に『自分もワクワクしている』ことに気づきました。
そして、クラス対抗の競技をくじ引きで決めていきます。
青野が引いたのは……
「絶対無理!!!」
一体何を引いたのか!?
第49曲 体育祭
青オケ来週は年始休み頂きまして、次回更新が28日です!先読みで体育祭回(増ページ!)が更新されます。チラみせ!! pic.twitter.com/EDLMue304H
— 阿久井真@青オケ10巻発売中 (@akui_m) January 8, 2020
さぁ、楽しい体育祭がやってきました。
1年生の借り物競走で、小桜が秋音の声援を受けながら走ります。
”あこがれの人♡”
小桜が引いたお題です。
あこがれの人、♡つきですが、誰を借りるのでしょうか。
町井先輩でした!
顔を真っ赤にしながら町井とゴールした小桜は見事1位を獲得。
そんな彼女を応援していた秋音ですが、クラス対抗なのでもちろん敵チームです(笑)
体育祭を楽しんでいる秋音とは打って変わり、落ち込み続けている青野。
「だって『大将』だぞ!!?」
そう、青野がくじで引いたのは『騎馬戦の大将』だったのです。
騎馬戦の大将と言えば、大ボスなので敵からの攻撃の的になりますね。
※騎馬戦は相手チームの大将を倒した方が勝ちです。
それからすっかり暗い青野ですが、別のクラスの山田と佐伯が様子を見にやってきました。
山田から佐伯も騎馬戦に出ると聞きます。
ちなみに、運動音痴の青野ですが、佐伯もまぁまぁな音痴レベルです(笑)
しかし、佐伯は青野と違いそんなに暗い表情をしていません。
騎馬戦で勝った方がコンクールの座標は「表」ってことで。
表とは
客席側に座るので結構目立ちます!
ここでもコンクールに絡めてくる佐伯(笑)
オーディションがないからと無理難題を涼しい顔で言えちゃうのが佐伯の凄い所ですね!
もちろんそれで座席が決まるわけではありません。
冗談なのか、本気なのか分からない佐伯ですが、山田とともに戻っていきました。
やる気の出ない青野も秋音に喝を入れられ、準備へと向かいます。
そんな彼の様子をクラスメートの女子は「勝ち目ないねぇ」と諦めモード。
しかし、「いざってときはやれる奴だよ!」と青野の背中を見ながら秋音は言いました。
いざ、開幕!
黄色組の佐伯はスタートと同時に足を滑らせ自滅しちゃいました。
そして、青野は……かやの外です(笑)
運動部同士の激しい闘いで、青野は最後の最後で狙われましたが、見事勝利を収めます!
そんな青野の騎馬を務めたクラスメートは全員運動部出身。
青野が軽くて走りやすかったと言われましたが、「もっと太ってもいいんじゃねーの?」と聞かれ、ラーメンを食べにいく約束を交わします。
クラスメートとは言え、青野はあまり部員生以外と喋るシーンがありません。
ましてや、ごはんの約束を交わすとは!!
中学時代は父親の件もあり、周りに壁を作っていた青野ですが、高校に入ってから少しずつ打ち解けているのがわかります。
このまま交友関係の広がりと同時に青野のおデブ化計画も広がるのか……注目です(笑)
部活対抗リレーに出場する秋音はアナウンスが入り準備へ向かいました。
始まるまで青野は木陰に座り、顔面を踏まれている競技中の山田を労りながら休むことに。
そんな青野に声をかけ隣に座ったのは小桜です。
照れながら話す小桜の近くにハチが飛んできたため、思わず青野は小桜の身をかばいます。
恋愛に鈍い青野ですが、その鈍さ故にスマートな行動もさらっとできるんです(笑)
小桜が惚れるのもわかります。
青野の行動に小桜は顔を真っ赤にしてうつむいてしまいました。
好きな人と2人きり……
「あ、秋音だ」
青野は秋音の姿をみかけ、小桜に「何番目に走るんだろうね?」と聞きます。
しかし、秋音の名前が出たことに小桜は少し嫉妬した表情をみせ、「さぁ……」と答えました。
皆からの質問に真面目に答えている小桜としては珍しい返答と思いませんか。
りっちゃんのことどう思ってますか…?
恋愛対象として…みていますか?
一番聞きたい言葉を飲み込んで、遠回しに小桜は青野に聞きます。
しかし、ほぼ同時にスターターピストルな響き部活対抗リレーが始まりました。
合唱部がトップに躍り出ましたが、立花が抜き首位にたちます。
「俺は…秋音が…‥
アンカーだと思うよ!」
思わぬ返答に小桜は肩の力が抜けました(そりゃそうだ笑)
首位を守った立花からバトン(トランペット)を受け取ったのは、秋音でした。
合奏部と再び並びますが、次の走者の羽鳥が一気に突き放します。
羽鳥が独走状態のため、次の走者である東金も本気で走るしかありません(笑)
「絶対1位でゴールしなさいよね!」
東金から最後のバトンを受け取ったのは、筒井部長でした!
これは意外でしたね。
体格の良い筒井は残念ながら足が早くないため、どんどん2位との差が縮まります。
そんな彼の頑張りを小馬鹿にしたような声がチラチラと聞こえ、
「うるさいんだけど。」
佐久間の言葉…よりも眼力で周囲は黙ります。
言葉にトゲはありますが、すぐに意見できるのが佐久間のいいところですよね。
たぶん筒井じゃなくても、部員が馬鹿にされたら黙っていないと思います。
そして部長は、最後まで懸命に走り見事ゴールしました!
その結果は……‥!?
第50曲 課題
さぁ、いきなりですが質問です。
『トランペットとヴァイオリン、音が大きいのはどちら?』
答えは、トランペットです。
ヴァイオリンは、トランペットに比べて音量が小さい楽器のため「数」で補う必要があります。
鮎川先生による全体練習中に、弦楽器と管楽器の音量が合わず先生の大きい溜息がでました。
「お互いの足を引っ張り合って楽しいか?」
佐久間ばりの嫌味も加えながら、鮎川は言います。
鮎川は現在の課題について指摘しました。
- 管楽器と弦楽器の音が嚙み合っていない
- お互いの楽器に無関心すぎる
- 表現力が乏しい
3年生がいたときと比べて横の繋がりが薄いと感じている鮎川。
課題曲である「バッカナール」を「オーケストラ」でどのように演奏で表現するのか……。
バッカナールとは
古代ギリシアを起源として、「酒と収穫の神であるバッカスを祀る」
お酒を飲みながら祝うお祭りですね!
サムソンとデリラ
旧聖書時代、ヘブライ人の英雄・サムソンはペリシテ人の奴隷として生きていた。
そんなある日、ペリシテ人の大守がヘブライ人の神を嘲笑ったため、サムソンはその大守を殺めてしまう。
その情報を聞きつけたペリシテ人の美女・デリラは、サムソンに復讐を決意する。
デリラに誘惑されたサムソンは、罠にハマってしまい……。
怪力として英雄と称されたサムソンの秘密を知ったデリラは。
復讐劇の酒の宴が始まる……。
曲の背景を理解しても、全員が「共有」できなければ意味がないと羽鳥は考え、ブロック練習を取り組むことにします。
ブロック練習
弦・管・打楽器のパートが少人数で混ざり合い各グループで演奏し意見交換します。
Aグループには、青野や佐伯をはじめ、佐久間と東金がいたりと濃いメンバーが揃いました(笑)
部長の筒井もいるため、彼が中心になって取り組むかと思いきや、佐久間がニコニコと笑いながら進めます。
佐久間は仕切りたがり…ではなく、無駄な時間を過ごしたくないため、自然と仕切ることが多いのかもしれませんね。
そんな佐久間をじっと見ているのが、立花です。
しかし、佐久間と目が合うとばっと逸し、気まずそうに部屋を後にしました。
羽鳥率いるCグループは、演奏前に「バッカナール」について意見交換をしています。
同じくCグループになった小桜は、上の空で話を聞いていました。
この曲は小桜の得意分野だろ?
このセリフから私は羽鳥が小桜の恋の相手に気づいていると確信しました(笑)
しかし、そんなことを知らない小桜は羽鳥の言葉の意味に疑問を持ちつつ練習します。
Aグループでは、佐久間に代わり筒井を中心に練習しています。
楽器ごとに演奏を聴き、それぞれ思ったことを意見し合うことになりました。
しかし、弦楽器が演奏した後に意見を言うものは誰もいません。
「正直、弦のことはよくわからないよね……」
鮎川の言っていた『お互いの楽器に無関心』が浮き彫りとなります。
3年生が居たころは原田が中心となって、全体の音を聴きまとめ上げていました。
それは、原田が他の楽器の音も聴いていたからです。
今の部員では『パート』でしか聴いていないため、全体のまとまりに欠けるのだと思います。
皆が黙るなか、ただ一人意見した者が……佐久間です。
バッカナールが最後に描いているもの……『復讐』
『復讐』と聞いて思い浮かべる感情とは?
言い方は嫌味たっぷりですが、きちんと佐久間は答えまで導いています。
そして、弦楽器・管楽器にそれぞれ足りない部分まで指摘しているんです。
Aグループのなかで『他の楽器に関心がある』のは少なくとも佐久間と青野とわかった瞬間でした。
そして、BとCグループの管楽器にもそれぞれの課題となる意見が出されました。
各グループで課題を克服して、それを全体で共有できるのか……!?
第51曲 誘い
賑わう教室のなかで、昨夜見た夢のせいで自己嫌悪に陥っているのは小桜。
昨日の部活でCグループに課せられたのは、『妖しさ』でした。
ピーンとこない小桜は自宅で調べると、出てくるのは刺激的なワードばかり。
昼休み、秋音と昼食ととっていた小桜は『サムソンとデリラ』について喋ります。
ふと秋音が、サムソンとデリラに当てはまる人物は誰かと小桜に聞きました。
小桜はサムソンを「青野」と、秋音はデリラを「東金」に例えます。
すると青野が秋音を呼び出し、小桜から少し離れたところで喋っています。
何を話しているのか気になる小桜ですが、秋音が青野に向けた笑顔を見て心がざわつくのを感じました。
「青野くんと何話してたの…?」
戻ってきた秋音に恐る恐る聞く小桜。
「大したことじゃないよ」
そう答えた秋音に小桜は黒い感情を抱き、爆発する前に秋音と別れました。
大したことないなら…話してくれてもいいのに。
サムソンが「青野」ならデリラが「秋音」だと小桜は感じています。
青野と仲良くしたくても距離が縮まらないのに、秋音は親しみやすく青野の隣をすっと歩いていける……
そんな親密な関係を築ける秋音が、デリラと重なってみえたのかもしれません。
秋音は青野のことをどう思っているのか……
2人の関係が気になる小桜は練習に集中できずにいました。
すると廊下からオーボエ奏者の平良まりあ(たいらまりあ)の叫び声が聞こえます。
鮎川から「デリラの気持ちが理解できていない」と平良は言われ、その表現に悩んでいたようです。
デリラの気持ちが分からないのは小桜も同じと返事をすれば、平良から意外な言葉が返ってきました。
「小桜さんデリラっぽいのに!」
全く自覚がない小桜ですが、平良は「男女の『愛』が絡むでしょ」と言ったあと詰め寄り、
「好きなんでしょ? 青野くんのこと。」
平良に言っていないのになぜ知っているのか…小桜はますます演奏に集中できなくなります。
『オケ部全員にバレていないか』と不安になる小桜。
とくに秋音との関係を壊したくないため、『隠したい気持ち』が強くなります。
……デリラの気持ちとは。
ここで小桜は、デリラも『秘密』がバレるのを恐れていたのではないか…と仮説を立てます。
ある日図書室で『バッカナール』について調べていた小桜に受験勉強をしていた町井が声を掛けました。
町井も小桜に「男女の愛が絡むからどんな演奏か楽しみ」と伝えます。
そのとき小桜の脳裏には、平良に自分の気持ちがバレていることを思い出します。
そして、小桜の気持ちを知っているのは町井も同様でした。
小桜は町井が平良に伝えたのか?…と疑心暗鬼になってしまいます。
「どうして私に好きな人がいるってわかったんですか?」
勇気を出して小桜は聞きました。
「私と似てたからかな?」
「2人だけの秘密ね」
そう言った町井との『秘密』ができた小桜。
秘密の共有で自身の悩みも晴れた小桜は、デリラと自分を重ねて考えます。
秘密がバレそうになって不安になったりドキドキしたり、
そういう普通の女の子かもしれない。
それでいいじゃん。
最初は小桜にとって『デリラ=秋音』でしたが、自分の気持ちを重ねたことで『デリラ=小桜』に置き換わりました。
”自分のなかでデリラを確立させた”ことで小桜の表現力の幅が広がり、音色としても現れています。
そして小桜は羽鳥にも自分の考えを伝えてグループ内で共有しました。
秘密を抱えたことでの不安、悲しさ……ドキドキとした緊迫感。
誰にもバレたくない秘密はありますよね。
もちろん私にも親にも秘密にしていることはあります。
時々、親にバレているのかな…と考えたりもしますが、向こうからの反応がないので『秘密』のまま過ごしています。
きっと、小桜もこんなドキドキ感を味わって過ごしているのかも(笑)
そして部活の帰り道、青野を見かけた小桜は一緒に帰ることに。
コンクールが終わったあとの予定について話していると、町井の言葉を思い出しました。
私達…いつかは進まなきゃいけないよね。
現在の関係を崩したくない場合は、『秘密』のまま過ごす選択肢もあります。
しかし、デリラになって考えた時に『秘密』を抱え続けることのドキドキ感だけでなく、”辛さ”も同時に小桜は考えたのではないでしょうか。
仮に敵対関係であるサムソンを好きになった場合……デリラは『秘密』のまま過ごすのか、それとも明かすのか。
デリラが辛い気持ちになる部分まで小桜は考えたかもしれません。
この気持ちをうやむやにしないし、……させない。
『秘密』から卒業することを決めた小桜は、青野にある言葉を投げかけます。
小桜推しの私はこのお話が一番好きです。
可愛い小桜から色っぽい小桜まで渋滞していますから(笑)
……ちなみに、なぜ町井と平良は、小桜が青野を好きと知っているのか??
2巻で相合い傘で帰ったシーンがありますが、それを目撃されております(笑)
第52曲 後悔と一歩
登校した秋音は驚いた表情を見せています。
その目線の先には……
妖しさを解放して演奏する小桜ちゃん!
いつもと異なる雰囲気に立ち尽くす秋音でしたが、青野に声を掛けられたことで我に返ります。
青野と小桜も互いに挨拶しますが、昨日の出来事があり照れています(笑)
小桜の演奏からやる気をもらった秋音は、気合を入れてヴァイオリンを握ります。
が!!
「全然ダメ!」
厳しい立花の一言。
秋音や立花のいるBグループに求められたのは、優雅さでした。
秋音、立花、裾野………活気のあるグループです(笑)
実際、この曲のイメージに裾野は「勢いの良さ」を提案しました。
しかし、同じグループの六実はづき(むつみはづき)は
「激しさ」を際立たせるなら「優雅さ」も必要……と言っています。
「優雅さ」について考えようと秋音は言いますが、焦る立花は思わず怒鳴ってしまいます。
頭を冷やすため音楽室から飛び出した立花ですが、佐久間とぶつかりました。
その瞬間、立花はバツが悪そうな顔をして逃げるように去っていきます。
佐久間はそんな彼女の背中をみて、溜息をもらすのみ。
そんな2人を見て秋音は何かを感じました。
翌日、秋音と立花は一緒に家庭科の授業で調理実習をしています。
クッキーが焼けるまでの待ち時間に秋音は立花に佐久間と何かあったか聞きました。
言葉を濁す立花に「もしかして好き?」と聞きますが、即答で否定されます。
クッキーが焼き上がり、余った分を「佐久間先輩にあげたら?」と茶化す秋音に立花は怒ります。
「人が嫌がってる部分に踏み込んでくるの辞めたら?」
黙り込む2人でしたが秋音は席を立ち、紅茶を取りに戻ると立花に渡しました。
ごめん!
私人との距離感掴めない奴でさ、自分でも直さないとなーって自覚してて…
引用:青のオーケストラ 8巻
秋音は謝りながら席に着きティーカップを持ちますが、その手は震えていました。
自分の欠点を自覚しながらも、また相手を傷つけた……秋音は立花の言葉でそう感じたのでしょう。
しかし、”相手を傷つけた”と感じたのは立花も同じでした。
『中学から何も変わっていない……』
立花は秋音に謝罪した後、中学時代のことをポツリポツリと喋りました。
佐久間と立花は同じ中学であり、2人が所属していた管弦楽部は毎年金賞を獲得するほどの強豪校。
部長だった佐久間は的確な指示で周りからの信頼を集めていたそうです。
もちろんコンクールでは金賞をとっていました。
そんな佐久間の推薦で部長になったのが立花です。
彼の期待に応えたい……伝統ある金賞を獲りたい…
しかし、部長になった立花の気合は空回りしてばかり。
同級生に相談することはなく、一人で抱えて、自分の練習方法を全員に押し通した…
そんな独りよがりの立花の側にいる人はいませんでした。
みんなの心が揃わないまま迎えたコンクールで、当たり前だと思っていた金賞を逃してしまいます。
頑張ったよ。
ウチらはさ…立花に耐えることを頑張ったでしょ?
引用:青のオーケストラ 8巻
コンクールの帰り道、同級生から言われた本音に立花は何も言えませんでした。
立花も『部長だから』と一人で全てを決めるのではなく、周りの同級生に相談をすればよかったのかもしれません。
そして、その同級生も立花のやり方に不満があれば話し合うなどの方法はいくらでもあったはずです。
お互いに本心を隠して歩み寄れなかったことが原因だったのかな…と感じました。
……そして、また秋音を傷つけたと立花は後悔の気持ちでいっぱいになりました。
初めて聞く立花の弱気な発言に、秋音は『自分にできること』を探し始めます。
ある日個人練習をしていた立花のところに秋音が「バッカナールを合わせよ」と誘いました。
2人で演奏している最中、秋音は「優雅な」言葉から立花の演奏する姿を思い出しました。
秋音にとって目標とする姿は「立花」なのかもしれません。
2人の音色に合わせて、誰かがリズムをとっている音が聴こえてきます……
その音色の正体に、立花と秋音はぐっと気持ちが入り優雅な時間が流れます…。
落ち込んでいた立花の調子も戻ったことで、秋音も一安心…と言った表情をみせました。
そして、2人で「金賞も絶対獲ろう」と約束を交わします。
やっぱり秋音と立花はいいコンビですね(笑)
立花は物事を一人で抱え込む傾向が強く、秋音は自分から周りを頼って物事を考えるタイプ…に思えます。
2人とも相手に物怖じしない性格で似ていますが、何かの壁にぶち当たった時に周りに頼れるか、そうじゃないかの違いが出ていておもしろいですね。
ちなみに……。
立花のラインは絵文字がたくさん入っていて可愛いです(笑)
ギャップ好きな人には立花さんおすすめです!
第53曲 怒り
熱で浮かされた青野は、夢のなかでサムソンとなり拘束され拷問を受けます。
首を切り落とされる寸前…ベッドから落ちた青野は悪夢から醒めました。
辺りは暗くぐっすり寝ていた青野に佐伯から電話がかかってきます。
電話の話は鮎川先生との全体合奏のことでした。
全体的に良くなっているが、主題部の「怒り」の表現がまだ足りていない。
練習後の反省会で羽鳥が意見を求めても
「特に発言がなく、具体的な解決策が出なかった」こと……
あの佐久間ですら意見をしなかった、と佐伯は言いました。
それから2日後、体調が回復した青野は、遅れを挽回しようと休み時間に練習することに。
しかし、佐久間を見かけ、休んだ罪悪感から挨拶しました。
「ホント心配してたんだよね〜。みんなに風邪移されたらどうしようかと思ってさ―」
安定の嫌味(笑)
一瞬だけ優しさ見せたと思ったのですが……本当に一瞬でしたね(笑)
一瞬だけ見せた優しさに青野の心は一瞬だけ動かされました。
そんなことを思っている青野に佐久間は唐突に質問します。
「怒り」について考えてみた?
「怒り」と聞いて真っ先に思い浮かんだのは、父親のことでした。
しかし、父親のことを隠す青野は逆に佐久間の感じる「怒り」を聞きます。
すると、「いっぱいあるよ」と答えると部員の不満に思っていることを指摘します。
佐久間の言葉に思わず青野は「毒を吐いてスッキリしたいだけにしか見えません!」と反論します。
自分が一番「怒り」を感じる相手に、
ずっと黙ってるんだ?
引用:青のオーケストラ 8巻
この発言に青野は何も言えなくなりました。
青野はあまり口で意見することはなく、演奏で思いを伝えることが多いです。
しかし、佐久間の言葉は納得しますよね。
怒りを感じて意見したいのに、いざというとき黙ってしまう……
我慢する人は気持ちを溜め込むタイプであり、蓄積された怒りが頂点に達した時に爆発します。
佐久間は青野の性格を分析し「もっと自分の怒りに寄り添うんだ」とアドバイスしました。
……抑えろ!
引用:青のオーケストラ 8巻
中学時代から感じていた父親への怒りは、青野のなかでずっとくすぶり続けていました。
佐久間から言われたことで、自分の怒りについて考えた青野はその感情を演奏に合わせます。
青野のなかで表現できつつある「怒り」ですが、部員全体としてはイメージが掴めていない様子。
本番まで1週間を切りましたが、未だミーティングをしている状況に部員たちは焦りだします。
だからと言って、パートリーダ以外は具体的な意見が出せていません。
意見を求めても誰も応えず、考えを言わない……
『口無しの人達』
これが佐久間が最も「怒り」を感じる時間です。
佐久間も我慢しますが、誰も意見しないことに限界を感じ口を開きました。
この「怒り」は…怒りを通り越して「憎しみ」だと思うんです。
引用:青のオーケストラ 8巻
しかし、意見したのは佐久間ではなく青野でした。
自分の考えを口に出して伝えることに慣れていない青野ですが、ゆっくりと自分の考えを喋ります。
サムソンが感じた「怒り」を自分の「怒り」に代えて…『あえて溜める弾き方』を伝えます。
青野の言葉をきっかけに皆が感じたイメージを口々に発するようになりました。
部活が終わった帰りの電車で、またもや佐久間と遭遇した青野。
軽い嫌味を混じえながら佐久間は「今日は割とよかったけどね」と青野に伝え下車します。
「みーちゃった!」
青野と佐久間のやりとりを見ていた秋音が空いた隣に座りました。
そのまま一緒に帰ることにした2人。
見慣れた景色、見慣れた道を歩きながら中学の頃を思い出します。
「もう1年前か…」
青野と秋音が出会った1年前…最初の印象は最悪でしたが交流を重ねる内に大切な仲間となりました。
懐かしむ秋音でしたが、悪戯心で青野に手を差し出し「触ってみて」と言います。
突然のことに呆然とする青野ですが、1年前にも同様の手口でからかわれたことを思い出し断ります。
それでも秋音の催促に疑念を抱きつつ……秋音の手に触れました。
1年前は結局、秋音の指に触れなかったため比較はできません。
しかし、青野は「指の皮が厚くなったんじゃねーの?」と照れながら答えます。
比べることはできないけど、努力を続けた指先はきっと変化している…青野なりのメッセージかもしれません。
「まだまだ練り上げるぞ!」
自分たちの新しい音楽を奏でたい……遠くまで響かせたい……
熱い思いを胸に秘めた青野は前を向き歩き出します。
【青のオーケストラ】8巻のまとめ
『思い』が聴こえてきましたか?
物語に登場するメンバーはみんな性格が濃いので、濃厚な思いになったのではないでしょうか(笑)
- 一番思いを伝えているであろう佐久間は、「我慢の限界」を超えてから言語化している。
決して思ったことをすぐに口に出してはいない。……‥ほんとかな?(笑) - 青野は佐久間との関わりから、徐々に考えや思いを伝えるようになった。
※今までは言葉よりも演奏の表現力で伝えることが多かった印象がある。 - 立花は中学時代のトラウマを思い出し『何も変わっていない』と落ち込む。
しかし、秋音はそんな立花の思いを変えるために、『できること』を探して行動します。
その結果、立花は再び前を向くようになり、秋音との絆も深まった。 - 小桜は自分の黒い感情をデリラにぶつけることで、『デリラの思い』と『自分の思い』を整理することができた。
そして、自分の抱えていた『秘密』から卒業することを決めて、行動することに…。
思いの伝え方は人それぞれですが、皆の思いを聴くことができました。
まとまり始めたオケ部ですが、9巻ではコンクールの内容が描かれています。
どんな演奏になったのか……気になった方は読んでくださいね!