あなたは『青のオーケストラ』を読んだことはありますか?
阿久井 真(あくい まこと)さんが描いているオーケストラ部を舞台にしたマンガです。
阿久井さんは、2015年に放映されたアニメ映画『心が叫びたがってるんだ』のコミカライズ版を手掛けています。
青のオーケストラはアニメ化も決定し、人気上昇中!
このマンガ……
…‥…‥おもしろっ!!
『青のオーケストラ』は専門知識がなくても楽しく読めます!!
それは
解説付きで、物語が進むからです。
きちんと読者目線の物語なんです。
例えば、パソコン操作が不慣れな人にとって、その場で教える人がいると助かりますよね?
それと同じです。
そのため、知識がなくても楽しく読むことができます。(ここ重要 (笑))
今回はその記念すべき1巻の見所をご紹介します!
これを読めば青のオーケストラが好きになること間違いなしです!
青のオーケストラのおおまかなあらすじ
青のオーケストラ1巻読了!
「音」で伝えられるアンサンブル青春ドラマ!
高校受験間近で出会った青野と秋音の受験に、ヴァイオリンに向き合う姿は気持のいいもの!(過去の回想でキャラに思い入れもできやすい!)
高校のオケ部(オーケストラ部)の迫力は圧巻でした!
気になるラスト!#青のオーケストラ pic.twitter.com/04pLngF0gd— ニュービー (@Founderscolor) August 29, 2020
見所を紹介する前に、おおまかなあらすじをお話します。
ある過去がきっかけでヴァイオリンを弾くのを辞めた青野 一(あおの はじめ)。
かつて、彼は数々のコンクールで賞を獲得するほどの天才少年であった。
特にやりたいことがなかった青野だが、ある日保健室でヴァイオリンを弾く
秋音 律子(あきね りつこ) と出会い、再びヴァイオリンと向き合うことになる。
新たな青春×音楽マンガの舞台が開幕!!
1巻のポイントとして……
- 青野と秋音の出会い
- 秋音が保健室でヴァイオリンを弾く理由
- 実は本作の立役者? 武田先生とは
- 希望の高校に入学できるか
- 青野のヴァイオリンへの想い
ここを中心にお話したいと思います。
ちょっと、ここで裏話
『青のオーケストラ』を描くきっかけになったのが、
阿久井さんの担当がヴァイオリンの経験者だったから!
私はてっきり阿久井さんが音楽系の物語が好きで、「青のオーケストラ」を描くことにしたのかと思っていました。
※「心が叫びたがってるんだ」→ミュージカル系のお話
そして、担当さんの母校である千葉県立幕張高等学校に取材へ行き、このマンガができました。
まさかの担当さんがきっかけとは、意外でしたね!
【青のオーケストラ】1巻のポイントをご紹介
さきほどの5つのポイントについて、1つずつ詳しくお話します。
ここからネタバレ&画バレあります。
ポイント① 青野一と秋音律子の出会い
そもそも2人が初めて出会った場所は『保健室』です。
青野は小さい頃からスポーツが苦手で、ケガをして保健室によく運ばれていました。
別の日の体育の授業中に、顔面でボールを受けた結果、鼻血と床に後頭部を強打します。
その原因は、青野にどうしても気になることがあり授業に集中していなかったためでした。
担任の武田先生に運ばれ、青野はしばらく保健室のベッドで寝ていました。
ヴァイオリンを持った秋音は、先生に会いに保健室へ行きますが、先生は不在でここの空間には寝ている青野だけです。
秋音は、青野に気づかずケースからヴァイオリンを取り出します。
青野は夢の中で雑音のような音色に苛立ちが隠せず、目を覚ましました。
目と目が合う瞬間に好きだと気づいた〜…‥‥
…‥…‥…
……
秋音からしたら誰もいないと思っていた空間に男子がいたとなると驚きますね。
しかも、鼻血が垂れてますし(笑)
青野は秋音が手に持っているヴァイオリンに気づき、どうも気になることの正体が判明しました。
さきの授業中もここ数日聴こえたこのヴァイオリンの音色が気になり考えていたのです。
しかし一度はスルーをした青野ですが、秋音の態度に腹がたち、とうとう不満をぶちまけます。
ぼーっとした印象の青野がヴァイオリンのことになると、事細かく指摘するところから青野にヴァイオリンが根付いていることが分かります。
青野にとって秋音がヴァイオリンを弾いていることは、本当はどうでもいいはずです。
もう青野は弾くつもりがないからです。
しかし、ヴァイオリンの音がかすかに聴こえたり、音が外れれば……反応してしまう…
青野のなかでヴァイオリンが切っても切り離せない、もう人生の一部になっています。
もしそこまで好きなことじゃ無ければ、ここまで葛藤しないですよね。
青野とヴァイオリンの考察は、5つ目のポイントで深堀りします!
それにしても、初対面の男子がいくら悪い印象だからって、
物怖じせず発言する秋音はツワモノです!(笑)
しかし、この性格が必ずしも良いとは限らないのも事実で……
私も学生の頃は、いい意味でも悪い意味でも正直者でした。
でも、その正直者の善悪は相手次第で決まります。
良い方の捉え方としては、嘘をつかない真っ直ぐな正直者。
悪い方としては、相手の立場で考えられない自己中心的な正直者。
対象の人物は同じでも、見方を180度変えるだけでこんなにも意見が分かれます。
そして私は、誰からも好かれる性格の人はいないと思っています。
多かれ少なかれ、相手を尊重しているから良好な関係が続くのです。
あなたもそうではないですか?
相手のことを全く考えず、意見することってないですよね?
自分の逆鱗に触れた時は、そんな余裕ないですけど…(笑)
当時を思い出しながらこの記事を書いていると、
私、かなり友達に恵まれていたんだなと実感します(笑)
ポイント② 秋音が保健室でヴァイオリンを弾く理由
上の部分で、秋音について少し触れました。
ここからは、秋音律子についてお話します。
- なぜ保健室でヴァイオリンを弾いているのか
- 秋音がヴァイオリンを弾きたい理由について
なぜ保健室で弾いているのか?
授業中、保健室の前を通った青野は、秋音が1人で勉強しているのを発見しました。
なぜ、教室にいなかったのか…
青野は武田先生に聞きます。
はじめは茶化しましたが、青野の耳に秋音に関する悪い噂が入ったのを聞き、先生は事情を話しました。
先生もはじめは、「生徒同士のケンカ」の認識だったが、秋音のようすから違うと悟ります。
同じ時期に校内でもあるできごとが問題視されていました。
担任としては大事にしたくないため、秋音の声に耳を傾けずうやむやにしました。
その結果、それが秋音律子が原因であるような噂が生徒の間に広まってしまいました。
しかし武田先生は…‥…‥
「教室に行きたくない・・・。クラスの奴らや担任の顔を見るとイライラする」
という秋音の対し
「別にムリしていくことはない」と・・・。
私ならきっと不登校になっています。
そして、秋音も学校に行かないことを考えましたが、「ヴァイオリンを弾きたい」という目標がありました。
今の嫌なことより、これからの楽しいことを考えるようにしたの。
それに中学なんて卒業しちゃえばあいつらに会うこともないんだし。
秋音の言葉なんですが、今の状況をむしろ前向きに捉えています。
やはり目標のために頑張れる人はとてもキラキラと輝いてみえますね。
秋音がヴァイオリンを弾く理由
秋音がヴァイオリンを弾くことにこだわる理由……
- 「カノン」が好きでこの曲を弾きたいから
- 海幕高校のオーケストラ部で演奏したいから
『カノン』は結婚式や卒業式でよく聴く曲です。
あなたにも馴染みがある曲だと思います。
ポイント
実はカノンは別名であり、
正式名称は『3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ 二長調』です。
そして、カノンというのは音楽形式で日本語で『輪唱』と言います。
有名なのが「カエルの合唱」です。
前の人が歌っているのをおいかけっこ形式で歌った記憶はありませんか?
それのことです!
「好きな曲を弾きたい」
「いつかこんなふうに弾けたら楽しいだろうな」
これは『曲』に限らず、
好きな料理を作りたい…‥
好きなDIYに挑戦したい……
好きな仕事に就きたい……
好きなことだと楽しいし、積極的に挑戦したくなりますよね。
私は小学生の頃、エレクトーンを習っていました。
はじめは弾けることが楽しくて、何も考えず好きな曲を弾いていました。
でも、大会や発表会に出場するようになると、『好き』だけで弾けなくなりました。
「好きこそものの上手なれ」とは良く言ったものです(笑)
その頃から大会や発表会が嫌いになり、ただ目標もなく弾くだけとなった結果、小学校の卒業とともにエレクトーンを辞めました。
青野も言っている『楽しそうな音』
このマンガを読みながら、楽しかったことを思い出し、「また、弾いてみたい!」と思いました。
そんな青春を蘇らせてくれるのも、このマンガの見所です!!
そして、「海幕高校のオーケストラ部で演奏したい」
秋音が目指す「千葉県立海幕高校のシンフォニックオーケストラ部」は、
日本学校合奏コンクール8年連続最優秀賞を獲得しています。
そんな強豪校には音楽推薦があり、それで入学する生徒もいます。
友達と行ったオーケストラ部の演奏会で、
生の演奏にめちゃくちゃ感動したから。
たくさんの音が溶け合っていく瞬間は鳥肌立ったもん!
確かにこれを間近で観ると鳥肌が立ちますね。
このマンガは臨場感のある描写が凄い! ことでも人気ですので、ぜひチェックして下さい!
オーケストラの構成
金管楽器(トランペット、ホルン、チューバなど)
木管楽器(フルート、オーボエ、クラリネットなど)
打楽器(シンバル、ティンパニ、太鼓など)
弦楽器(ヴァイオリン、チェロ、ビオラなど)
4つの楽器の構成で成り立っています
※弦楽器を除いた楽器の構成は吹奏楽です
無事に秋音は希望校に合格できたのでしょうか?
ポイント③武田先生とは
青野と秋音が通う中学校の体育の先生であり、進路相談の先生であり、頼りになる先生!
武田先生!
中学の先生だから、今後出ることはないのかな…?
そんなことはありません!
青野や秋音にとって、今後のキーパーソンになるのではと考えています!
なので、今のあいだに武田先生を知っておきましょう。
秋音のヴァイオリンの先生
秋音はヴァイオリンについては全くの初心者、ド素人です。
青野に不協和音と言われた秋音が使っているヴァイオリンは、
実は武田先生が使っていたものなんです。
そして、秋音が目標としている海幕高校のオーケストラ部のOBでもあります(笑)
放課後に秋音にヴァイオリンを教えていたみたいですね。
教師らしからぬ賄賂先生!?
さきほど、秋音のヴァイオリンの先生とお話しました。
しかし、武田先生は青野へ秋音にヴァイオリンを教えるよう説得します。
賄賂(交換条件)で……笑
青野は引き受けてくれたら体育の成績多目にみてやる。
秋音は、言うこときかないとヴァイオリン貸してやんない。
超が付くほど運動音痴の青野にとっては嬉しい条件…
秋音にとっては天から地へ落とされた気分……
でもこれは上から目線じゃなく、さら〜っと言っているのが面白いです。
2人は大人しくこの条件をのんだのでしょうか?
心に寄り添える頼もしい先生
普段はフランクな接し方をしている武田先生ですが、誰よりも生徒思いです。
秋音が教室に行くのを嫌がったときも、無理な励ましはせず、
「別に無理して行くこたぁねーよ」
秋音に寄り添い思いを尊重しています。
青野が将来のビジョンが想像できていないなか、武田先生は、海幕高校の進学を提案します。
「オーケストラ部へ入れなんて言っていないぞ。
今、将来のことを決めろなんて言ってない。 あんま難しく考えんな」
このようにアドバイスしていました。
※武田先生の本心は青野がオーケストラ部に入部することを熱望しています(笑)
中学から高校に進学するタイミングは、本当にさまざまな選択肢があるため慎重になりますよね。
普通科、工業科、農業科、スポーツ科など……
確かに高校の3年間で将来は決まりません。
しかし、その3年間で将来を決めたがる人が多いのかもしれません。
武田先生は、青野はずっとヴァイオリン一筋だったため、世間は広く、楽しいものと教えたかったのかもしれまんせんね。
ポイント④青野と秋音は希望校に合格できるか
さて、2人の希望校が海幕高校となりました。
でも、音楽推薦じゃなく一般入試に挑むことになります。
2人の成績は……
青野は、テストの点数が悪く、武田先生から「学校を選択できる余地はないぞ」と言われるほどです。
いっぽうの秋音は、意外にも成績が学年3位でした!!
目標のために勉強していた秋音は本当に努力家ということが分かります。
そのため、今度は秋音が青野に勉強を教えることになりました。
ちなみに
海幕高校のモデルとなった高校の偏差値を調べました!
県内の公立で上位の方だったので、青野は結構頑張らないといけないのでは……?笑
武田先生は、「ちょーっと」と濁していましたが……(笑)
ポイント⑤青野のヴァイオリンへの想い
一番重要なポイントです!
そのため、最後にもってきました。
たった、4本の弦。
そこから奏でられる音が、俺を掴んで放さない。
今でもときどき思い出すんだ…
音が大好きだった、あの頃のことを…
冒頭のシーンの満面の笑顔を見せる青野……
この頃はヴァイオリンの演奏が楽しいことが伝わってきます。
青野がヴァイオリンを辞めた理由
青野は母親と2人で暮らしています。
父親とは昔離婚をし、それ以降交流はないみたいです。
青野がヴァイオリンを辞めた理由は、その父親にあります。
また、母親の笑顔を守るために、ヴァイオリンを弾かないと決めました。
ヴァイオリンから見える父親の姿
青野にヴァイオリンを指導していたのは、その父親です。
青野の父親はプロのヴァイオリニストとして活躍していました。
幼い頃は、父親が奏でる音が好きで、言われたことはなんでも聞いていました。
青野の目標が『父親』そのものだったんですね。
青野のなかでは幼少期からの父親の理想像ができあがっており、それを目標にひたすら練習していたのだと思います。
しかし、それが崩れた瞬間に青野の「目標」も崩れてしまいました。
子供は親の背中を見て育つ…と聞きますね。
青野がヴァイオリンについて考えるときは、たいてい「父親」の姿がちらついています。
そのため、「父親が嫌いなった」はずなのに、「ヴァイオリンが嫌いになった」と錯覚したのではないでしょうか。
秋音と出会い再び思い出す
「ヴァイオリンが嫌いになった」からと演奏を辞めていた青野ですが、秋音と出会い変化がみられます。
武田先生から秋音にヴァイオリンを教えるよう頼まれてたが、ずっと断っていました。
しかし、上手ではないが楽しそうに弾く秋音をみて、青野は幼少期の頃と重ね合わせます。
楽しそうな音色は父親の音色をかき消してくれ、楽しそうな音色が響いていました。
事情を知らない秋音に青野はヴァイオリンを辞めた理由を話しましたが、秋音は「父親とヴァイオリンは関係ないと思う」と返されたことに青野は驚きます。
そして、決してヴァイオリンに嫌な思いはないと母親は青野に伝えます。
2人の言動に少しずつ青野の気持ちが揺れ動き始めました。
川辺まで青野を連れてやってきた秋音は、ここで練習していることを明かします。
秋音が保健室に通う事情をしっている青野は、「今」ヴァイオリンを練習している場合ではないと心配しましたが、秋音にとっては「過去のできごと」であると教えられます。
前を向いて突き進む秋音に、青野は昔の自分を思い出しヴァイオリンを手にします。
・・・ここは色んな音が聴こえる。
でも・・・父の音は聴こえない。
秋音も惚れ込むくらいの青野のきれいな音色が響き渡ります。
通行人も思わず足を止めて聞き惚れるほどです。
再びヴァイオリンを弾き始めた青野の物語がどう展開していくのでしょうか……
【青のオーケストラ】1巻まとめ
今回は今後の物語に重要となってくる、中学時代をメインにご紹介しました。
青野一、秋音律子、武田先生を語りましたが、もっと個性的で愉快なメンバーが登場します!
自分の過去と向き合い、前に進み始めた青野の青春ドラマはどうなるのでしょうか?
今後の展開がますます楽しみですね!
- ヴァイオリンが嫌いで弾くのを青野は辞めたが、秋音と出会ったことで昔の自分を思い出し、再びヴァイオリンを弾くようになった。
- どんなに辛いことがあっても秋音は、目標のために前向きに物事を捉え、
ヴァイオリンを弾くことが楽しい努力家。 - 2人の目指す海幕高校は、オーケストラ部の強豪校。
勉強が苦手な青野は、秋音のサポートを受けつつ勉強にはげむ。
2人は無地に志望校に合格できたのか…!! - 普段はフレンドリーな接し方をする武田先生だが、教師のなかでも一番生徒を思いやるハートが熱い先生。今後の2人のキーパーソンになる(予想)。
以上をメインでお話しました。
今後は高校時代がメインとなりますので、
ここで抑えたポイントでぜひ2巻以降も楽しんで下さい!