「青のオーケストラ」というマンガをご存知でしょうか?
「青のオーケストラ」は音楽好きの若者を中心に人気を集めているマンガで、累計発行部数は350万部を突破しています。
さらにはアニメ化も発表され、人気は今や急上昇中です!
そんな今話題のマンガですが、
「青のオーケストラって何がそんなにいいの?」
とか、
「青のオーケストラの青ってなに?」
と、あなたもそう思ってはいませんか?
私も、実はそう思っていました。
というより、そもそもこういう音楽系ジャンルのマンガはあまり読んだことがありませんでした。
しかし、いざ読んでみると、これが非常に面白い!
キャラクターが魅力的なのもありますが、本当に音が聴こえてきそうなインパクトのある絵に、めちゃくちゃ圧倒されました。
ジャンルだけで読まず嫌いしていた過去の自分を殴ってやりたいです笑
この記事を読めば、読まず嫌いしているあなたもきっと読みたくなりますよ!
今回は青のオーケストラの2巻についてお伝えしていきます!
【青のオーケストラ】1巻のざっくりしたあらすじ
https://twitter.com/kurokami_0530/status/1568536785982205952?s=20&t=VYmoYoUUhm79qMqLl5iNSg
まずは「青のオーケストラ」のあらすじを簡単におさらいしましょう。
主人公・青野一(ハジメ)はかつて、ヴァイオリンのジュニアコンクールを総なめにする天才少年でした。
しかし、プロヴァイオリニストである父親の不倫と離婚をきっかけに、今はヴァイオリンをやめています。
そんなハジメでしたが、ヴァイオリンを楽しそうに演奏する秋音律子と出会ったことで、もう一度ヴァイオリンを弾くことを心に決めます。
そして二人は必死の勉強を経て、強豪オーケストラ部がある海幕高校へ入学。
こうして、ハジメと律子の高校生活がスタート・・・というのが、これまでのざっくりしたあらすじです。
【青のオーケストラ】1巻の見所を紹介!新たな青春音楽マンガ開幕!
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【青のオーケストラ】2巻の各話あらすじと見所
2巻ではついに、ハジメや律子たちのオーケストラ部生活がスタートします。
それに加えて現役の天才・佐伯直との出会いや、律子の友人・小桜ハルとの約束など、
音楽も青春も盛りだくさんの一冊です。
もちろん、巷で話題となっている「音が聴こえる」シーンもたくさんあります!
ここからは、そんな2巻の各話あらすじと見所をご紹介させていただきます。
きっと、あなたの耳にも聴こえてきますよ!
※ここからはネタバレを含みますので予めご了承ください。
第8曲・それぞれの音
オーケストラ部の見学に来ただけなのに、ひょんなことから佐伯とデュオで演奏することになってしまったハジメ。
コンクールを片っ端から制覇し、海幕高校に音楽推薦で合格した佐伯は、精密に忠実に譜面を撫でていきます。
「こいつ・・・やっぱめちゃくちゃうまいな・・・」
佐伯の演奏技術にハジメも驚嘆します。
そんな佐伯に対し、ハジメもさすがというか。
よし、これなら合わせられる
と、思いました。
しかし、そのときです。
隣に座る佐伯の口元に、笑みが浮かびました。
直後、佐伯は演奏のテンポを急激に変えます。
ハジメを一切見ようともせず、眼中に無しといった様子でバイオリンを弾き続ける佐伯。
演奏は今や佐伯の独壇場です。
しまいには、ハジメの音が佐伯の演奏を邪魔しているとさえ言われる始末。
演奏が噛み合わず、まったく合わせる気のない佐伯に、ハジメもイライラしてきました。
これはハジメじゃなくてもムカつきますよね。
よろしくって言われてガン無視するとか、煽られてるとしか思えません笑
ハジメは、それを態度ではなく音で感じ取りました。
こいつの音は・・・明らかに俺を挑発している・・・!
そっちがその気なら、とハジメもまた相手に合わせることを止めます。
ハジメが本気の演奏を始めた途端、隣で演奏していた佐伯や、見ていた生徒たちが一斉にゾワッとしました。
ここ、すごく格好良いです。
漫画なので、ハジメがどんな音を出したのかは、さすがにわかりません。
わかりませんが、まるで凄まじいバイオリンの音が聞こえてくるような迫力があるんです。
本当にすごいものを見たり聞いたりすると、思考が止まって、ただただ鳥肌が立ちますよね。
私も経験があるので、このとき佐伯や生徒たちが感じた感覚がよくわかります。
それは、高校のバスケットボールの試合を見に行ったときです。
私が観戦している目の前で、一人の選手が3ポイントシュートを鮮やかに決めました。
3ポイントシュートとは、簡単に言うとかなり遠距離からシュートを決めることですが、これがプロの選手でもなかなか出来ません。
まあ、一回だけならマグレかな
そう考えていた私の目の前で、その選手は二本目の3ポイントシュートを決めます。
・・・まぁ、二本連続で入ることもたまにはある
そして、その選手が三本目の3ポイントシュートを決めたとき、私の思考はぴたりと止まります。
私だけでなく、そこにいた全ての人が感じました。
マグレじゃない!!
そう思った瞬間、全身に鳥肌が立ちました。
そして会場は、大歓声に包まれたのです。
・・・あのときの感覚は今でも忘れられません。
さて、そんな鳥肌ものの演奏を見せたハジメですが、佐伯も負けてはいません。
その後は、お互いに全く譲る気なし。
先輩の原田にも「音の喧嘩」だと評されるほど、酷い演奏になります。
それでも、ハジメは思いました。
楽しい。
ハジメにとっては、ずっと忘れていた感覚だったんだと思います。
一人で何かをするのも楽しいです。
でも、誰かと本気で競ったり、協力する楽しさはまた別格です。
そうして無我夢中で演奏を続けた二人は、先輩に中断させられるまでバイオリンを弾き続けました。
演奏が終わると、拍手喝采!
みんなに喜んでもらえたことを嬉しく思うハジメでしたが、
ここで先輩が、ハジメの出自を思い出します。
彼が元全国一位であり、プロヴァイオリニスト青野龍仁の息子であること。
それは、ハジメが何より知られたくないものでした。
生徒たちの話題が龍仁の不倫について及ぶと、ハジメは苦い過去を思い出します。
記者の執拗な取材。クラスメイトから投げかけられる心のない言葉。
ああ・・・またこれか・・・
うずくまり、下を向くハジメ。
バシッ!
そのとき、律子に背中を思い切り叩かれました。
痛みに驚いて顔を上げると、律子に「下向いてんじゃないわよ」と睨まれます。
ここの律子、すごいと思います。
普通なら笑顔で励ましたり、心配したりすると思います。
それを律子は「下を向くな」という一言とともに睨むのです。
・・・これって、最高の励ましじゃないですか?
あなたは下を向くようなことはしていないのだから、堂々としていろ。
この一言と目だけで、それを感じ取らせてくれます。
律子、男前すぎる!!
そして、今度は律子の演奏が始まります。
「ちゃんと見ててよね!」
そう言って律子は立ち上がりますが、生徒たちの間では龍仁の話題がコソコソと続き、この場からいなくなりたいと思うハジメ。
また下を向きそうになりますが、そんなハジメを救ってくれたのは、律子の演奏でした。
それは、たどたどしくて危なっかしい、聴いてるこっちがドキドキするような演奏。
それでも、心から楽しそうにバイオリンを弾く律子の姿と音に、ハジメは顔を上げて笑顔を見せるのでした。
第9曲・憧れ
「どうだった?私の演奏!」
演奏を終えた律子に尋ねられたハジメは、
「・・・うん、まあ良かったんじゃない?」
と照れ隠しに顔を背けながら答えます。
「練習付き合ってくれたあんたのお陰かもね!」
そう言ってニッと笑う律子に、思わずドキっとしてしまうハジメ。
わかります。律子の笑顔ってほんと可愛くて魅力的なんです。
そのあと、1年生は各自自分の実力を披露し、仮でパート分けされていきます。
律子の友人・ハルも演奏しますが、
「あの子・・・結構上手いな・・・」
とハジメも感心しました。
そして、パート分けも終わり、残りの時間は2・3年生の練習を見学することに。
部活動紹介のとき、圧倒的な演奏を見せた先輩・原田の演奏が間近で見られることをハジメは喜びます。
とは思いつつ、原田のことをよく知らないハジメ。
友だちの山田に聞いてみますが、なんと佐伯に制止されてしまいます。
「聴けばわかる」
そう言われては、ハジメも黙るしかありません。
そして始まった、原田を「コンサートマスター」とする先輩たちの演奏。
ちなみにコンサートマスターとは、指揮者の次にオーケストラを取りまとめる人のことで、
言い換えれば「第2の指揮者」です。
そんなコンサートマスターの原田に、全ての音と意識が集まります。
それは、やはり圧倒的でした。
音も、奏者も、聴く人の心までも、その場の全てがひとつになって踊り出す。
音を合わせるとはこういうことなのだと、ハジメは先ほどの己の演奏が恥ずかしく、また悔しく思いました。
そうして演奏が終わり、いい汗を流しながら原田はニコッと笑います。
「良い演奏だったね!」
ズギューンッ
これこそ原田マジック!
女子たちのハートは根こそぎ持っていかれました。
でも、どうせ「ただしイケメンに限るってやつでしょう?」
私もそう思ってしまった惨めな人間の一人です笑。
しかし、原田は顔だけでなく、心までイケメンな男。
女子だけでなく男子も惚れてしまうこと間違い無しの人物なのです!!
それはさておき、原田の演奏を聴いたハジメは、
自分がどこに向かって進めばいいのか、なんとなくわかった気がする
と、心の中で呟きました。
ここで、私はふと思いました。
青のオーケストラの「青の」とは、きっといろんな意味があると思います。
その一つが、「青野」という意味も含まれるのではないかと。
青野ハジメをコンマスとするオーケストラ、
青野オーケストラ
・・・この漫画のゴールが見えた気がしました。
見学を終えた帰り道、ハジメは手に持った入部届をじっと見つめます。
それを律子にみつかり、慌てて隠すハジメ。
山田に「ついにオケ部に入る気になったんだな!」と指摘され、ハジメは否定しようとしますが、
「入部しないの?」
そう言ったのは、なんと佐伯でした。
そして佐伯は続けてこう話します。
「さっきの君との演奏、すごく楽しかった」
「また君と弾けたら嬉しい」
ズギューンッ
ちょっと待ってくださいよ。
佐伯、可愛すぎませんか!?
ここまで、クールで誰にも興味が無さそうな男だったのに、
ここにきてこの素直すぎるセリフに、私はハートをもっていかれました笑
それでもまごついているハジメの態度に、律子は入部届をひったくり、ハルにペンを借りて勝手に書いてしまいました。
入部届
「オーケストラ部」に入部します
1年18組 青野一
「明日は自分のヴァイオリン持ってきなさいよ?」
律子に言われたハジメは、無理やり書かれた入部届を見ながら、
「うん」
口元に笑みを浮かべて、そう答えたのでした。
ここのシーン、すごく良いというか、なんだか懐かしく思います。
青のオーケストラの「青」とは、やはり「青春」の意味もありますよね!
第10曲・始動
仮入部期間も終わり、ついにハジメたちの部活動が始まりました。
ハジメ、佐伯、律子、ハル、山田は、それぞれのパートに分かれて練習します。
経験の浅い律子はそれまで初心者メニューをこなしていましたが、今日から合奏練習に入ってOKと言われて、大喜びしました。
が、ハジメも律子もまだまだ課題が多そうです。
ハジメはブランクのせいもあり、みんなと音を合わせることがなかなか出来ません。
それに加えて佐伯の上手い演奏を隣で聴いていると、自分のダメなところ見せ付けられているようにも思えてしまいます。
律子もまた音を合わせることが出来ず、苦戦します。
そして、同級生の立花には「いつ辞めるの?」と言われ、「みんなの足を引っ張っている」と辛い言葉を浴びせられてしまいます。
立花の言動に対して怒りを見せるハルに「気にしてないから平気よ」と律子は言いますが、やはり少し心に引っかかっているようです。
翌朝、ハジメが音楽室に来ると、いつもより早く来て一人で練習をしている律子と出会います。
ハジメは律子の音を、下手だけどデカイと評します。
これは、馬鹿にしているのではありません。
普通はどうしても気を使ったり、自信が無かったりすると、音が弱くなりがちです。
しかし律子は、自分の音をどんなときでも精一杯出そうとしていて、
そんな律子を、ハジメはすごいと思ったんです。
これって、演奏じゃなくてもそうですよね。
何かを目指したり、頑張ったりするとき、初めは誰でも初心者です。
だから、自信が無かったり、臆病になったりして、思い切り力を出せないのが当然だと思います。
でも律子は、そんな弱い心に負けず、いつも全力で頑張っているんです。
そんな人を、私は心から応援したくなります。
「だから、自信持って弾いていいと思うよ」
とハジメに言われて、律子は笑顔を見せます。
「お前と音を合わせるのを楽しみにしてるよ」
ハジメの言葉に、律子だけではなく、私もすごく楽しみになりました!
ハジメと律子の合奏、ぜひ見てみたいですね。
その後、律子は再び合奏練習にチャレンジします。
特訓の成果もあり、今度は一度も止めないで演奏ができました。
それでもまだ音がずれているので、「足引っ張ってすみません!」と謝る律子に、みんなは気にしすぎだと言ってくれるのでした。
そんな律子の姿を見て、ハジメは思います。
誰かが頑張っている姿を見ると、自分も頑張ろうと思える。
ここ、シンプルなセリフですが、これ以上にストレートに伝わる言葉はないと思います。
一人で頑張るのは、なかなかしんどいです。
それは、まわりも先も見えない道を一人で走っているようなものですから。
だからこそ、仲間って大事だと思います。
仲間がいるから頑張れるし、何より面白い!
おらワクワクしてきたぞ!ってどこかの戦闘民族の言葉じゃないですが、何をするにしても「面白い」ってすごく大切だと思うんですよね。
佐伯、律子、ハル、山田。
それぞれが頑張っている姿をみて、ハジメは思います。
いいな・・・頑張ってるのが自分だけじゃないって・・・
これまで一人で頑張ってきたハジメは、部活動の良さを初めて知ったのでした。
第11曲・雨の日
6月になり、オケ部にとって嫌な季節がやってきました。
なぜなら、楽器は湿気を嫌うからです。
金属は錆びるし、木は湿気を吸い音が悪くなるとのこと。
そして、今日も大雨。
傘を差して登校するハジメでしたが、車に水を引っかけられてびしょ濡れになってしまいます。
濡れてしまったヴァイオリンケースを気にするハジメでしたが、
そんなハジメに、通りがかった原田が
「ヴァイオリンケースを拭くのも大事だけど、自分の身体もしっかり拭くんだよ?風邪引かないようにね」
とタオルを掛けてくれます。
原田先輩・・・やはりイケメンすぎる!!
その後、部室にやって来たハジメですが、佐伯がなぜか部屋の前に突っ立っています。
「もう練習始まるぞ?」
と言いながら、佐伯が「あ・・・」と何かを言う前に、ハジメは部屋の扉を開きました。
そこでハジメの目に飛び込んできたのは、
ハルの下着姿!!
なんと部屋の中では、雨に濡れてしまった女子部員が着替えていたんですね。
これにはハルも「うそっやだっっ!!」と身体を隠し、ハジメは「きゃーっごめんなさいっ!!」と謝りながら後ろを向きます。
・・・いや、「きゃーっ」て言う側が違いますよね笑
佐伯にもからかわれて、ハジメは顔を真っ赤にしました。
ここ、実はレアなポイントです。
あの佐伯が、ぷるぷる震えながら笑ってるんです。
普段あまり感情を見せない佐伯が思わず笑ってしまうほど、ハジメの言動が面白かったんですね。
その後、オケ部の練習が開始されますが、よりによってハジメの隣にはハルが座ることに。
二人で同じ楽譜を見ながら練習するんですが、まったく噛み合いません。
どうやらハルに嫌われているらしいと感じたハジメは、がっくりと肩を落としました。
普段から人見知りで、おどおどしていることが多いハル。
しかし演奏するハルは、ハジメ曰く、佐伯に負けず劣らずの演奏をするとのこと。
佐伯よりよっぽど合わせやすいと思うハジメですが、ふいっと顔を背けられてしまい、落ち込んでしまうのでした。
雨の日はろくなことが無い。
ハジメがそう思っていたとき、部室に一人の男が入ってきました。
顧問の鮎川です。
彼が来た途端、部室の空気がぴりつきました。
部活動をやっていた経験があって、なおかつ顧問が怖い先生だった方は、この空気感がよくわかるんじゃないでしょうか。
私は、嫌というほどよくわかります笑。
でも今にして思えば、あの締まった空気があるからこそ、メリハリがあっていいんですよね。
そして、鮎川による指揮と指導が始まります。
楽譜に縛られず、妥協のない演奏を指導する鮎川の姿に、ハジメは父親の姿を思い出してしまいました。
おかげで、今どこを演奏しているのかわからなくなってしまいます。
結果は、最悪な事態に。
弾く箇所を間違え、演奏をストップさせてしまいます。
ハジメは謝罪しようとしますが、鮎川はハジメではなく、原田を怒ります。
そのまま、鮎川の指導は終了。
自分のせいで怒られてしまった原田に謝るハジメでしたが、
「音に乗せて欲しい気持ちは反省じゃないよ」
「明日はそんな顔で演奏しないようにね!」
・・・この先輩、良い人すぎません!?
そんな原田が救世主のように見えてくるハジメですが、
今日は何をやっても上手くいかなかったと落ち込みます。
「雨は嫌いだ」
ハジメは再びそう思いますが、
「そうやって何かのせいにしたい自分が一番嫌いだ・・・」
本当は、そう思う自分自身が嫌いだったんですね。
でも、ちゃんとそう思えるだけですごいと思います。
私が同じ立場だったら、何かのせいにして終わっちゃいますもん笑
さて、憂鬱な気分で下校するハジメでしたが、外はまだ大雨が降っていました。
また服が濡れると思うと、さらに憂鬱になるハジメ。
そんなハジメの目の前で、同じく帰ろうとしていたハルの傘が、強風で壊れてしまいます。
すかさず自分の傘に入れてあげたハジメは、そのまま一緒に帰ることに。
気まずい空気で歩く二人ですが、そこでハルがふと気づきます。
ハジメは自分が濡れるのも構わず、傘をハルのほうに差していたんです。
ハジメ・・・優しい。
でも、この男心、わかる方多いと思います。
男子は、こういうときに見栄を張りたい生き物ですからね笑
それがきっかけで、ようやく二人は普通に話せるようになりました。
嫌われていないことがわかり、ホッとするハジメ。
そんなハジメの姿に、ハルは意を決して話しました。
「あのときの約束、覚えてる・・・?」
ハルがハジメを避けていたのは、どうやらここに秘密があるようです。
ハルが話す約束とはいったい!?
第12曲・小桜ハル
小学生の頃、ハルはコンクールで落選する度に泣いていました。
そんなハルに、あるとき一人の少年が声をかけます。
それは、あんな風に弾けるようになりたいと憧れていた、幼き日のハジメでした。
「いつか一緒に弾けたらいいね」
ハジメにそう言われて、幼いハルはビックリしてしまいます。
小学生の約束なんて、あって無いようなもの。
それでもハルにとってその約束は、信じたくなるものでした。
それほど、ハジメの姿が眩しく見えたのです。
ハルは意を決して、そのときの話をしました。
が、ハジメはやっぱり覚えていません。
こらっ!ハジメ!と思わず怒りたくなりますが、仕方ないですよね。
私だって小学生のときにした約束なんて覚えていませんし、そもそも小学生の時の記憶すら危ういです笑
でも不思議と、ハルのように印象深い思い出だけは覚えてるんですよね。
ハルもまた仕方ないと諦めます。
さて、そんなハルですが、高校生活をスタートしてから、クラスメートと上手く馴染めずにいました。
高校に入れば、何かが変わると思ってた
でも実際は・・・何も変わらない自分がそこにいる・・・
このときのハルの気持ち、すごくわかります。
高校に入れば何かが変わる。大学に入れば何かが変わる。都会に出れば何かが変わる。
みんなそう思うんですよね。
私もそうでした。
高校時代、何の変哲も無い人生を送っていた私は、あることをずっと考えていました。
それは、大学に入ったら、きっとキラキラした毎日が待っているんだろうなぁということ。
新しい友人たちとの楽しい学生生活や、恋人とのデート、そんなウキウキワクワクな日々が待っているんだと、私は思っていました。
でもその結果は、ハルが言う通りです。
バカみたい・・・何もしないで変われるわけないのに・・・
・・・そうです。思ってるだけじゃ、ダメなんです。
環境が変わっても、そこで行動する自分が変わらないと、結局何も変わりません。
その現実がわかっているハルは、それだけで十分偉いと思います。
しかし、わかってはいてもなかなか行動できないんですよね。
そんなハルの心支えは、たった一人の友だちである律子だけです。
けど、そんな律子にも高校で友だちがたくさんできたことを知ったハルは、思わず嫌な感情を抱いてしまいます。
変わりたいと思いつつ、人には変わってほしくない。
自分の性格の悪さが嫌になるハル。
そのとき、街中で見かけた他校の女子高生を見て、ハルは動揺してしまいます。
そんなハルを救ってくれたのは、あとから駆けつけてきた律子でした。
「大丈夫」
と律子に手を握られるハル。
そう言って助けてくれる律子を見て、
つくづく自分が嫌になる
結局、私は・・・あの頃から何も変わってない
と、ハルは涙するのでした。
街中で見かけた女子高生が何者なのか、なんとなく想像はつきますが・・・
さあ、ハルはこのあとどうするのでしょうか。
その涙が晴れることを、私は心から願います。
第13曲・律子とハル
あの日以来、ハルは学校を休み続けています。
みんな心配していますが、一番心配しているのはやはり律子です。
それで当のハルはというと、仮病を使って家に引きこもっていました。
ハルの母親もそのことに気づいているようですが、強くは言えません。
なぜなら、ハルは中学のときに不登校になったことがあるからです。
もしまた同じことになってしまったらと思うと、親とはいえキツい言葉は言えませんよね。
そんな母親の気持ちを知りつつも、ハルは学校に行く気持ちになれません。
あの日、街中でとある女子高生を見かけて以来、過去のトラウマが蘇ってしまったハル。
律子から「大丈夫?」という連絡が来ても、ハルは「大丈夫だよ」と返そうとします。
大丈夫。
それはハルにとって呪いの言葉でした。
本当は怖くて怖くてたまらないのに、どうしても嘘をついてしまう。
律子が優しいことを知っているからこそ、ハルは言えないんです。
律子に甘えてしまう自分が、一番怖いのです。
真面目だったり、優しかったりするほど、大丈夫って言っちゃうんですよね。
自分のことなんかで、誰かに迷惑をかけたくないから。
一方、律子はハルから返信が無いことを心配していました。
そんな状況では、授業にも部活にも身が入りません。
トイレで顔を洗った律子は、ハルとの約束を思い出します。
「オケ部入ったら、一緒にヴァイオリン演奏しよう!」
その約束果たせていない以上、このままでは終われませんよね。
一方ハルは、大好きなホラー映画の鑑賞にも飽きてしまい、空腹からこっそり家を抜け出します。
夜中。コンビニでアイスを買ったハルは、母親にバレないよう家路を急ぎます。
「明日こそ・・・」
そう小さく呟いたハルは、
「・・・ハル?」
と背後から呼びかけられました。
振り向くと、そこにはなんと律子が。
驚くハルでしたが、律子は会いに行くとちゃんと連絡していました。
ホラー映画のせいで気づかなかったんですね笑
律子は言います。
「ハルの顔が見たかった」
・・・この言葉、ハルにとって何より嬉しいものだったと思います。
その後二人は、公園でいろんな話をしました。
思い出話を楽しそうに話すハルを見て、
「もう体調は平気そうだね」
と律子は尋ねます。
「うん。もう大丈夫だよ」
そう話して、ハルはまたこの言葉を言ってしまったと俯きました。
そんなハルに、
律子はでこぴんを喰らわせました。
「嘘つき!」
「ハルは言葉を飲み込みすぎ!!」
そう言ってから、律子はまず先に自分のことを話します。
中学のとき、クラスメイトにいじめられていたハルを助けようとした律子。
でもそれは逆にハルを追い詰めていたこと。
自分がしていることはただの偽善なんじゃないかとわからなくなったとき、ハルに救われたことを。
ハルもまた、自分が学校を去れば今度は律子が標的にされることを知っていて、それでも逃げたことを謝ります。
「りっちゃんと友だちになる資格なんてない」
そう話すハルに、律子は「友達に資格いるなんて聞いたことないし!」と言い返します。
「りっちゃんは私以外にも友だちいっぱいいるじゃん!!」
思わずそう叫んでしまったハルでしたが、
「でも、ハルは私にとって一人だけだよ」
律子はそう言いました。
そうなんです。
自分のことなんかで誰かに迷惑をかけたくない。
そう思ってるのって、自分だけなんですよね。
友だちだったら、むしろ迷惑をかけてほしいものです。
そうして、ようやく互いの気持ちを知った二人は、一緒に泣き笑い合いました。
その後、律子のお願いで、ハルは夜の公園でヴァイオリンを演奏します。
誰かのために初めてヴァイオリンを弾いたハル。
そこで初めて、ハルは自分を好きになれた気がしたのでした。
ここの、夜空と月をバックにヴァイオリンを弾くハルがほんとに綺麗で、思わずウルッとしちゃいます。
あなたにもぜひ、この感動の名シーンをその目で確かめてほしいです!
第14曲・先輩
夏の定期演奏会まで2か月を切りました。
定期演奏会で演奏する曲は全部で15曲。
曲によって演奏メンバーは違いますが、基本上級生や経験者を中心に編成されます。
そして、その定演のメイン曲は、
「ドヴォルザーク交響曲第9番」
顧問・鮎川の意向によって、この曲の座席順は実力順で決まります。
つまり1・2年生の中でオーディションを勝ち抜いた生徒だけが、この曲を演奏することができるのです。
そんなこんなで、オーディションでテストする「第3楽章」を、参考のために2年生が演奏することになります。
佐伯はもちろん受かる気満々で、
「今度のオーディションで、俺の青野くん、どちらが表か裏かこれではっきりする」
と宣言します。
表と裏の説明は省きますが、つまりはどちらの実力が上かはっきりわかるという意味です。
いつもは感情を表に出さない佐伯ですが、ヴァイオリンのことだけは譲れない。
そんな強い気持ちがわかるセリフですね。
さて、そんな佐伯の挑発に反応したのは、ハジメだけではありませんでした。
「おいおい~、お前らオーディションに受かる前提かよ」
そう言って二人に絡んできたのは、2年の羽鳥という男子生徒。
羽鳥はどうやらサボり癖があるようで、現れただけでどよめきが起こるほどです。
そして、そのまま2年の演奏が始まります。
コンマス席に座ったのは、
まさかの羽鳥!
「可愛い後輩のためにちょちょいっといきますか~」
と、なんともチャラい・・・もとい、軽い感じでスタートします。
2年生にとってもほとんど初見の曲。
合わせるのはさすがに無謀じゃないかとハジメは思いますが、
その考えは、一瞬で吹き飛ぶことになります。
弓が弦を力強く擦る音で、その場の全員が2年生の演奏に飲み込まれました。
1年生のへのお手本とは言いますが、その演奏は良くも悪くも、1年生に大きな影響を与えることになるのでした。
その後、演奏を終えた羽鳥は言いました。
「このくらいの演奏が出来なきゃ・・・オーディションは2年がいただきだな!」
軽いのは言動だけで、羽鳥の実力は相当なもののようです。
さあ、オーディションを勝ち抜くのはいったい誰なのか?
3巻が気になって仕方ないですね!
【青のオーケストラ】2巻まとめ
この記事でわかること
- 青のオーケストラのざっくりしたあらすじ
- 青のオーケストラ2巻の各話あらすじと見所
- 青のオーケストラの「青」とは?
今回は「青のオーケストラ」2巻を紹介しました。
演奏シーンもそうですが、ハジメたちの今後の成長にも期待しちゃいますね。
個人的には、佐伯のデレ成分がもっとほしいところです笑
続きが気になる方は、ぜひぜひ3巻もチェックしてみてください!